内容証明郵便を出さない方がよいとき
ちょっとまった!!
その内容証明、本当に送っても大丈夫ですか?
内容証明郵便はトラブル解決に確かに有効ですが、出さない方がよい場合もあります。
内容証明郵便を出す前に一度よく考えてみます。
内容証明郵便を出すということは、「今から貴方と争う用意がある」との
一種の宣戦布告です。
下記事例に該当する場合は控えた方がよいでしょう。
(逆に出さなければならない場合もあります)
よくある代表的な事例だけを挙げてみました。
1.相手と今後も付き合う予定があるとき
内容証明郵便は一種の宣戦布告ですから、たとえ問題が解決しても、以前のような付き合いをすることは大変難しいのが現状です。
よって肉親・近所の人・友人知人・職場の人に出すときは、 よくよく考える必要があります。
トラブルを解決しても、これらの人たちとは付き合うことになることが多いです。
これらの人には「トラブった→即内容証明郵便」はよくないことが多いです。
最初に何度か交渉をしてみて、改善が見られない場合の奥の手で使うぐらいです。
例えば大学のサークルで旅費を自分が立て替えたが、友達が返してくれないという場合には、まず口頭で催促します。
人間、自分に都合の悪いことは忘れがちなので、本当にわすれているだけなのかもしれません。
また覚えていても口頭で何回か催促すれば、たいていの場合は返還されるでしょう。
(多少関係は悪くなるかも知れませんが)
また隣の家のピアノがうるさくて眠れない場合、この場合もまず
当事者同士でよく話し合うことが大事です。
話し合いで解決するケースが大半だと思います。
通常は、わざわざ内容証明郵便を出す必要はありません。
穏便に話し合いで解決できるならそれに越したことはありません。
ご近所トラブルは「自分では迷惑と気づいていない」ことがあります。
(もちろん中には開き直っている者、迷惑でないと決め込んでいるもの、わざとやっているなど悪質な者もいますが)
ポイント 内容証明を出した後のことも考えてみる
2.相手に誠意がある場合
例えば自分が金を貸していて相手が返さない場合を想定します。
何度催促しても、なしのつぶて、全く払う気のない不届き者には内容証明郵便でガツンといくのがよいですが、「分割にしてくれませんか?」「来月にはまとめて返しますのでしばらく待ってくれません?」など、
ある程度誠意ある対応を相手がしてきた場合は少し猶予を与えてあげる方がよいかと思います。
「貸してもらった人に申し訳ないので、どうにかして返そう」と思った相手に水を指すことになります。
「せっかく返そうと思ってのになんだ!」といわゆる逆ギレをされます。
少し待っていれば穏便に全額回収できたものを要らぬ手間と費用をかけることになるかもしれません。
人間自分が悪いと思っているときに、周りから「そうだお前がわるい」と言われると、なぜか腹が立つようにできています。
ただ延々と「もう少しだけ」「来月は」と延ばす「だけ」の人もいますので、十分注意が必要です。
誠意がありそうでない人も沢山います。
こういう人には遠慮なく、内容証明郵便や訴訟で対抗すべきです。
ポイント 誠意ある相手にはむしろ逆効果なことがある。
3.財産隠す、雲隠れの可能性がある場合
倒産しそうな会社に、貸した金返せと内容証明郵便で請求すると、財産隠しや、夜逃げ、
人によってはやけになって財産を消費してしまう可能性があります。
こういう場合は直ちに弁護士に依頼して、財産の仮差押を行うべきです。
ポイント やばそうな会社の売掛金回収の際は注意
4.ずっと昔の債務に回答する場合
けっこうよくあるのが、時効で本来は消滅してあるはずの債務に関して、「支払え」と内容証明郵便が着たため、「もうちょっと待ってください」と債務の承認を内容証明郵便でしてしまう場合です。
時効完成後でも「任意」で返済した場合、「ちょっと待って」と債務の承認をした場合には、
時効を主張することはできません。
売掛金は2年で時効になりますが、その期間以後も、相手がわざと内容証明郵便で通知することがあります。
(債権回収のちょっとしたテクで、上記のように任意で支払ってくれる場合、債務の承認をすることがあるため)
債権回収の常套手段ですが、自分が内容証明郵便をもらったときは、「今でも本当に支払う義務があるのか」どうか確認します。
もしないようなら「時効により消滅しました」とだけ回答すればよいのです。
よく調べもせず、債務に関して「もう少し、待って」と内容証明郵便で回答するのは絶対に止めましょう。
時効が主張できない上に、債務の承認について相手にきっちり証拠として残ります。
ポイント わざと時効になった債務を請求してくることもある
5.架空請求・不当請求に回答?
架空請求・不当請求の類に「クーリングオフします」と言って、内容証明郵便を出してしまう方がおられます。
もともと支払い義務(不当請求は必ずしもないとは限らない)も貴方の個人情報もないのに、相手にわざわざ有意義な情報を提供してしまいます。
内容証明で記載した住所に続々と請求書が届くようになります。
架空請求・不当請求の類には、内容証明など送らず、無視をするのが原則です。
ポイント 架空請求・不当請求の類は無視するのが原則
最後に
世間での内容証明郵便の認知度の高まりにより、
内容証明郵便を利用する人は増えましたが、適切でない使い方をしているケースも残念ながら見受けられます。
内容証明郵便を使わずに穏便に解決できるなら、それに越したことはありません。
即、「内容証明郵便を出せばよい」というものではないときがあります。
しかし逆に穏便に話し合いを進めていたのではいけない場合もありますので、「内容証明郵便を出さなければいけないとき」も合わせてご覧ください。
当事務所は、内容証明を出すべきではないと思われるときは、正直にその旨をお伝えしております。
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