電話勧誘に関するトラブル
ケース1(事業者が電話で勧誘することについて)
ある日、ふとポストを見ると
「電話無料健康相談実施中」とチラシがあったので、ちょっと気になり電話してみたところ、実際は、健康食品の販売を強くすすめられるだけのものでした。
気が付いたら高価な健康食品を買わされていました。
しまったと思い、クーリングオフしたい旨を申し出ましたが「電話をかけて来たのは貴方ですから、電話勧誘販売には該当しません。よってクーリングオフはできません」とのこと。
確かに電話したのは自分なのですが・・・。
このケースのポイント
- 業者に電話をしたのは、無料健康相談を受けるためであった。
- 確かに電話をしたのは自分である。
検証
このケースの最大のポイントは、消費者自らが業者に電話をかけたことです。
確かに業者のいうとおり、電話勧誘販売には当たらないように見えます。
しかし、消費者から電話をかけた場合にポイントとなるのは、どういう理由で電話をかけたかということです。
商品を購入したい、もしくは商品の詳しい説明を聞かせて欲しいと電話をかけたのであれば、確かに業者のいうとおり電話勧誘販売ではありません。
しかしこの場合は、まさか商品の購入を勧められるとは思っていませんから、ある日突然来る、電話による不意打ち勧誘と何ら変わることはありません。
この場合は、確かに自分から電話をかけてはいますが、電話勧誘販売とされています。
クーリングオフは「不意打ち」から消費者を保護する制度とも言えますので、この場合でもクーリングオフは成立します。
また業者の行為はクーリングオフ妨害です。
他にも「あなただけに特別な情報があります。
今すぐ電話を」という具合に有利性を強調して消費者に電話をかけさせる場合も電話勧誘販売に該当します。
消費者から電話をかけた場合でも電話勧誘販売になる場合
- 販売目的を隠して電話をかけさせる場合(今回のケース)
- 有利性を強調して電話をかけさせる場合
ケース2(消費者が通信手段で申し込むことについて)
ある日、「行政書士の資格を取得しませんか?独立開業可能な国家資格ですよ。」と電話がかかってきて、しつこく勧誘してくるので、根負けして承諾してしまいました。
「じゃあ申込用紙をファックスで送りますので、必要事項を記載して、本日中に返信してください。」と言われたので、一旦電話を切って、ファックスを返信しました。
よくよく考えると行政書士自体よくわからないので、やめようと思いクーリングオフを申し出たところ「電話を切ってから自分で申込した場合は、電話勧誘販売ではないので、クーリングオフできません」と言われました。
確かに一旦電話を切ってから、再度(通信手段で)申し込んだのは間違いないですが・・・。
このケースのポイント
- かかってきた勧誘電話自体では申込をしていない。
- 一旦電話を切ってから、自分で申込をしている。
検証
勧誘された電話自体で申し込む場合だけではなく、
一旦電話を切って、電話・ファックス・葉書・封書・メール・代金の振込みを行った場合も、電話での勧誘により、通信手段で申し込むことに該当します。
よって一度電話を切って行ったこれらの行為も電話勧誘販売の要件の一部とされます。
なお、この場合もクーリングオフ妨害とされます。
ケース3(政令で指定された商品・サービス・権利であることについて)
ある日、「大豆の先物取引で資産運用をしませんか?」との電話がありました。
先物取引自体よくわからなかったのですが、資産運用ができるということで、商品先物取引なるものを始めてみようかと思います。
友人から「先物だけはやめとけ」と言われたのですが・・・。
このケースのポイント
- 電話で先物取引をしないかと勧誘があった。
- 先物取引はまったく知識・経験がない。
検証
最近多いのが、商品先物取引の勧誘電話です。
先物取引は特定商取引の指定はありませんから、保護の対象外です。
よって特定商取引法による保護の対象とはなっていません。
(海外商品先物取引受託法による)
被害も多数発生しているようで、近いうちに指定されるかもしれませんが、現時点では対象外となっています。
一般には消費者契約法に基づく、断片的事実の提供・不実告知による救済の手段が考えられると思います。
指定対象ではないので、当然電話勧誘販売にも該当しません。
ちなみに車もクーリングオフできませんので、高い買い物を電話や訪問販売で行うのは、控えた方がよいでしょう。
商品先物取引
素人が手を出すのはあまりに危険な取引です。
プロ専用取引です。
「ここで引いたら全てがだめになる」「もう少しすれば値上がりする」などしているうちに、莫大な負債を抱え込むことになります。
(なお有名な行政書士漫画「カバチタレ」にもこの商品先物取引の事例が載っています。
劇中では「商品先物取引で素人が儲けを出すのは、素人がプロボクサーに勝つより難しい」と皮肉ってます。
つまり素人が儲けるのは「不可能」ということです。)
相当程度知識があるなら、確かに魅力ある取引からもしれませんが、素人は絶対に手を出さないようにしましょう。 |