訪問販売に関するトラブル後編
ケース4
ある日、作業服を来た人がやってきて、「シロアリの無料点検をします」と言われ、無料ならということで、家を見てもらいました。
そうすると「これは危険だ、今すぐ駆除しないと」と言われたので、焦って契約をしました。
作業自体は当日終わりました。
後日知り合いに聞いてみると、費用が高すぎると言われました。
さらに8日以内ならクーリングオフできるとも教えてもらったので、業者にクーリングオフを申し出ると「作業は既に全て終了している、そんなものクーリングオフできるわけないだろ!」
と言われました。
作業も終わっているので、やはり支払うべきものかと思います。
このケースのポイント
- 無料点検にきたと言っている。
- 実際は作業契約の締結が目的であった。
- 既に作業は全て終了している。
検証
そもそも訪問勧誘をする場合には、「契約の勧誘が目的であること」を事前に明示しなければなりません。
(2004年改正)この場合、業者はシロアリ駆除の契約が目的であることを告げる必要があったわけですが、告げていません。
消費者も契約が目的とは思っていないため、「無料なら」ということで見てもらったにすぎません。
そもそも法律に違反しています。
シロアリの駆除は指定役務なので、クーリングオフの対象です。
作業前ならこの種の問題が発生することはないのですが、今回は作業が全て終了しています。
この場合も可能なのでしょうか?
結論から言いますと可能です。
法定書面の交付を受けたときから、8日以内ならクーリングオフが可能です。
今回はそういう書面の交付はなされなかったので、8日目以降も可能です。
またそうした書面の交付があった場合でも「クーリングオフはできない」と事実に異なる説明がなされています。
これはクーリングオフの妨害です。
よって書面の再交付及び口頭による説明がなされるまでは、クーリングオフは進行しません。
書面の交付があり、クーリングオフ期間がすぎていた場合でも、クーリングオフできる場合もあります。(2004年改正)
「既に工事は終了しているのだから、クーリングオフはできない」といわれると、ほとんどの人が納得してしまいます。
業者はそれを狙って、当日、もしくは2、3日という短期間で工事を完成させてしまう傾向があります。
作業が終了した後であっても、クーリングオフは可能です。
クーリングオフ全般と書面(契約書等)の関係について
法律で定められた事項の全てが記載されている書面の交付がない場合は、いつまでもクーリングオフできる。
書面の交付があっても、記載に不備がある場合は、書面の交付があったことにはならない。
クーリングオフの妨害があったときは、業者は書面の再交付、口頭による説明をしなければならない。
(そうしないとクーリングは進行しない)
ケース5
ある日、業者が包丁セットを売りに来ました。
通常価格1万5千円のところ、2980円で提供できるというので、熱心に売り込んでくるし、ちょうど持ち合わせもあったので、現金でつい買ってしまいました。
私は単身者なので、よく考えたら使うことはそうないと思ったので、次の日クーリングオフしたいと業者に申し出ましたが、「クーリングオフはできない」と言われました。
現金で全て代金を支払った場合は、クーリングオフできないのですか?
本で調べてみると包丁は指定商品なので、クーリングオフできるはずなのですが?
このケースのポイント
- 購入価格は2980円だった。
- その場で現金で全額支払った。
検証
まず2について、現金で全て代金を支払った場合でもクーリングオフは可能です。
この場合は代金の返還を請求することになります。
いわゆる「現金取引」もクーリングオフの対象となります。
しかし本件で問題となるのは1の購入金額です。
クーリングオフは3000円以下は対象外です。
よってこのケースでは業者のいうようにクーリングオフできないことになります。
ただ先に現金を払ってしまった場合は、たとえ3000円以上の品物でも、代金の回収が困難な場合があります。
内容証明郵便自体には、強制執行力はないので、業者が返還しない場合は、法的措置に出るしかありませんが、
実際問題、費用を考えるとおそらくマイナスか0になります。
現金取引は危険ですので、慎重に行った方がいいかと思います。
(余談) 先日うちの事務所になんと、調理器具の訪問販売が来ました。
(まさか事務所に来るとは(笑))
値段はなんと「2980円」でした。
やはり業者は敢えて3000円以下にして、クーリングオフの対象外になるように、していることが改めて伺える、よい事例でした。
(包丁の販売が目的であることを最初に明示したのは評価できる。でも忙しいので、もう来ないでね。) |